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EP-103. 悪気のない言葉に怒ってもいい?

みなさん、こんにちは!Kotsu kotsu Nihongoのみずきです。

このPodcastは日本語を勉強する人のために作っています。

難しすぎない、でも自然な日本語でいろんなトピックについて話しています。

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今日は、私が先日 夫と議論したトピックについてみなさんにシェアしようと思います。そのトピックはですね、悪気はないんだけど相手を傷つけてしまったり、嫌な気持ちにさせてしまったとき、その言葉を言われた人は怒ってもいいかどうか。怒るべきかどうか。こんなトピックです。


これだけじゃちょっと分かりづらいと思うので、例を挙げたいと思います。

例えば、これ、みなさんもきっと経験あると思うんですけど。ちょっと簡単な日本語を話しただけで、「日本語上手ですね~!」ってめっちゃ褒められる。あとはお箸を使ってご飯を食べていたら、「すごい!お箸持って食べられるんですか?お箸、上手ですね~!」って褒められる。


あとよく聞くのが、ハーフ、ミックスの人に対する言葉で、「ハーフだから○○だよね」例えば「ハーフだから背が高いんだね」とか「ハーフだから目が大きいね」とか。ま、そういう、見た目について決めつけることを言ったり、あとは行動に対してもありますよね。うーん、何だろうね。「ハーフだから敬語が苦手なんだね」とか。これちょっと悪意があるかもしれないですけど。あとまぁ…悪意がないとしたら「○○人の血が入ってるからスポーツが得意なんだね」とか「やっぱりアメリカ人の血が入っているから、フレンドリーなんだね」とか。


こういうのって、悪気は全然ないですよね。ばかにしているわけじゃないし、相手を…なんだろうね。嫌な気持ちにさせようと思って言ってるわけじゃないんですよ。でも、言われた側からしたら、「ハーフだから○○」「外国人だから○○」って勝手に決めないで!人それぞれ違うよ

って感じると思うんです。

もしね、ハーフの人でアイデンティティが日本人だった場合、なんで自分を日本人として見てくれないの?なんでハーフとして見るの?って思うと思うんですよね。すごく悲しい気持ちになると思う。

外国人に対して、「日本語上手ですね」「箸、使えるんですね!すごいですね!」って。この言葉の裏には「外国人だから日本語が話せるわけがない。」とか「箸が使えるわけがない」っていう気持ちがあるかもしれないですよね。それを言われた人は「え?ばかにしているの?」とか「私、見下されてる?」とか、そうやって嫌な気持ちになったり、イラっとしたりすることも多いと思います。「見下す」っていうのは相手を自分より下に見ることですね。自分が上の立場、相手が下の立場、こういうふうに見るのを見下すと言います。

でね、実際ね、結構そういう話を聞くんですよ。私の生徒さんからも聞くし、あとSNSとかでそういう経験談を見たりします。


こういうのをマイクロアグレッションって言いますね。私は数年前にこの言葉を知りました。

最近はね、ニュースとか記事でもよく見ます。マイクロアグレッション。

相手に悪気はないんだけど、実はその言葉の裏には、差別とか偏見の意識、無意識の差別・偏見がある。で、言葉を受け取る側は嫌な気持ちになる。これがマイクロアグレッションですね。

で、このマイクロアグレッションの難しいところは、悪気がないということなんですよ。明らかな差別、偏見じゃない。だから相手が嫌な気持ちになるなんて思ってないんですよ。だから、知らないの。その言葉が差別とか偏見につながるっていうことを知らない。

で、その時にね、言われた側が怒ったり、イラっとするのはどうなの?いい反応なの?っていうことをね、夫とね、めっちゃディスカッションしたんですよ。この間。


で、私と夫の意見は全然違ってお互い分かり合えなかったんですけど。これね、そりゃそうだと思います。だって、正解がない話だと思うんですよ。人それぞれの意見があると思う。だから、ぜひね、みなさんの意見を聞きたいと思っています。

夫の意見としては、マイクロアグレッションをした人は、その、知らないわけじゃないですか。自分の言ったことが相手を傷つけてるってことを知らない。本当に悪気がない。なのに急に相手が怒るのはフェア(公平)じゃないと言っていたんです。もし相手に悪気があって言ってきたらそれは怒るべき。なんだけど、相手が知らないで言ってきているなら、相手に罪はない。だから言われた側はそれをもう受け流すべきだっていう意見だったんですね。私の夫は。だからポイントは、悪気があるかどうかってことね。確かにそれも一理あると思います。「一理ある」っていうのは「確かに」「確かにそうだ」っていうことですね。一理ある。夫の意見も一理あると思うんだけど、でもね、私は、結局相手を嫌な気持ちにさせちゃってる、この事実があるわけじゃないですか。だからもう、私はそこにもう、罪があると思うんですね。言ってしまった側の罪があると思う。相手を傷つけちゃってるから。


分かりますか?難しいテーマですよね…。これ、今日のテーマは日本語としても難しいと思うし、テーマとしてもめちゃくちゃ難しいテーマだと思います。

でね、「知らないは罪」っていう言葉がありますよね。これ、有名なギリシャの哲学者、ソクラテスが言った言葉らしいです。

「知らないは罪」

「知らないことは罪だ」

私はこの言葉に賛成するんです。エピソード99でアイデンティティについて話しました。そのエピソードの中で、私が知らなかったせいで相手を傷つけてしまったという話をしたんですね。私は本当に悪気はなかったんです。知らなかった。その言葉が偏見とか差別につながるってことを知らなかった。でも結果的に相手のアイデンティティを否定してしまった、ということがあるんです。やっぱり知らなかったとはいえ、どう考えても私が悪いと思うんですね。

だから、「知らなかったからしょうがないじゃん」とは言えないんですよ。私は。


一方で、夫はどうして「罪はない」って考えるかというと、夫の性格がね、普段全然怒らない人なんですよ。相手に嫌なことを言われたりしても、全然怒らない。なんでかというと、いつもね、相手が嫌なことを言ってきたときに、自分側の原因も考えるんだって。

そしてそれと同時に相手側の状況も考えるらしいです。なんていうかな。その人の言った、その言葉じゃなくてその人自身を見て考える(判断する)ってこと。その人自身を見て、悪気があったかどうかを考えるっていうことです。

もし仕事の同僚が、嫌な態度をとってきたり嫌なことを言ってきても、夫は怒らない。なぜかというと、普段はその人はいい人だから。だから自分を怒らせようとか傷つけようなんてしてこないはず。だから、たぶんその人は今すごく仕事が忙しくてイライラしているとか、他の場所で嫌なことがあってちょっとメンタルが良くない状況だから、八つ当たりしちゃったとか、そういうふうに考えるんですって。だから、その人の言ったその言葉一つで怒るんじゃなくて、その人との関係性とかその人の背景、その人の今の状況を想像して、で、その言葉に悪意がないんだったらもう何も怒るポイントはない、と言っていました。


すごいですよね。すごい冷静っていうか客観的っていうか穏やかだなぁって思いませんか?神様か何かですか?って私は思ったんですけど(笑)だって私、そこまで冷静に考えられないんですよ。嫌な言葉を向けられたら、「え?何この人。失礼だな!」ってすぐ思っちゃうし。そんな深いことまで考えない。

どう?みなさん。どうですか?

人間がみんなね、夫みたいな人だったら世界は平和になるんだろうなって思うんですよね。ケンカとか争いごととか絶対起きないだろうなぁって思うんですよ。

そう。だからね、私と夫で全然感じ方が違うように、同じ言葉を向けられても、怒る人もいれば怒らない人もいる。受け取り方は人それぞれなんですよね。


でね、私が思っているのは、差別とか偏見とかしたくないしマイクロアグレッションもしたくないと思ってる。思ってるんだけど、やっぱり生きている限り、相手を傷つけないことなんて、無理だと思うんですよね。人を嫌な気持ちにさせないことなんて無理だと思う。どうしてかというと、やっぱり人それぞれ価値観、考え方、感じ方が違うから。しょうがないと思ってます。

で、「知らないことは罪」って言ったけど、私はまだまだこの世界、知らないことだらけで。だからどれだけ気を付けていてもマイクロアグレッションしてしまうことはあると思う。でも意識するだけでも変わってくると思うんですよ。「○○だから○○だ」って決めつけない。それを意識するかどうかでマイクロアグレッションを避けることはできると思う。

まだまだね、自分が無意識に差別とか偏見してしまっていることってたくさんあると思うんですよね。気を付けないといけないなと思ってます。


あともう一つ。

「知ろうとしないことはもっと罪だ」

この言葉の通り、知ろうとすること、これもめっちゃ大事なポイントだと思います。

自分が絶対正しいなんて思わないこと。そのためにはやっぱり、いろんな人と話したり、いろんな人の意見を聞いたりすることが大事だと思います。で相手の気持ちを大切にすること。もし「そのことを言われて傷ついたよ」とか「悲しいよ」とか言われたら、素直に反省する気持ちも大事だと思います。

難しいですね。本当に難しいテーマです。正解がないですね。

長くなっちゃったんですけど、みなさんの意見ももしよかったら聞かせてください。


はい。今日はここまでです。

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⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ありがとうございました☺


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