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EP-99. アイデンティティ

みなさん、こんにちは。

Kotsu kotsu Nihongoのみずきです。このPodcastは日本語を勉強する人のために作っています。私の日常のこと、日本の社会や文化のこと、日本で今ニュースになっていることなどをシェアしています。スクリプトは私のホームページにあります。私のレッスンもホームページから予約ができます。ぜひチェックしてください。そしてPatreonメンバーになったら、メンバー限定のpodcastやvideoを見ることができます。スピーチチャレンジ、ライティングチャレンジにも参加できます。こつこつアウトプットの練習がしたい人、おすすめですよ!

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今日はアイデンティティについて話そうと思います。このテーマを話そうと思ったきっかけがあります。先日「ミス日本」を決めるコンテストが行われたんですね。で、グランプリが決まったんですが、このグランプリに選ばれた女性について議論が起こったんです。「この人がミス日本?おかしいでしょ!」っていう批判の声が結構たくさん出ていて、ニュースにもなっていたんです。


じゃあ、どうして批判されたんでしょうか?それは彼女の両親がウクライナ人だからです。彼女の見た目もね、いわゆる「日本人」って聞いてイメージするような、なんか例えば黒くてまっすぐな髪とか、黒い目…とかね。そういう見た目じゃないんですね。そして両親がウクライナ人なので、DNAも日本人じゃない。そういう理由で「この人がミス日本に選ばれるのはおかしい」っていう声がたくさんあったんです。


でも、彼女のアイデンティティは日本人です。彼女は5歳の時に日本に移り住んできて、ずっと日本で暮らしてきました。幼稚園から大学までずっと日本の教育を受けてきました。頭の中で話す言語も日本語だそうです。だから、彼女は自分のことを日本人だと思って過ごしてきました。そして実際に、国籍もウクライナから日本にしました。

私は彼女のYouTubeチャンネルを見たんですが、こう言っていました。「これからも日本人として生きます。そして死ぬときも日本人として日本にお墓を作りたい」って言ってたんですね。もう、彼女のアイデンティティはまぎれもなく日本人だし、それを否定する権利は誰にもないと思いました。


で、このニュースを見て思い出したエピソードが3つあるので、今日はそれをシェアしようと思います。

まず一つ目は私の最悪な失敗談からです。ドイツに留学していたときの話です。留学中に、ランゲージパートナーみたいな感じで、日本語を勉強している大学生たちと友達になって、毎日のように会っていたんですね。その中に、両親がルーマニア人という人がいました。そのことを聞いたときに、私は「へ~、じゃああなたもルーマニア人なんだね~」って本当に何も考えずに言ったんですね。そうしたら彼は「いや、僕はドイツ人です」って言ったんです。


私はそれがどういう意味なのか全く理解できませんでした。なぜかというと、その当時の私は、自分が何人かっていうことは血が決める、つまりDNAが決めるって考えていたんです。だから彼が自分のことを「ドイツ人です」って言ったときに、「え?両親がルーマニア出身なのに子供がドイツ人?そんなことありえないでしょ?」って疑ったんですね。だからこう言ったんです。「いやいや、親がルーマニア人ならあなたもルーマニア人でしょ?」って本当に軽い気持ちで言い返したんですね。彼は「いやいや、私はドイツ人です」って何回も否定していました。


それでも私はね、理解できなかったんですね。これは私の、自分の勉強不足と、そして想像力が足りなかったせいです。それで彼のアイデンティティを否定してしまっていました。彼を傷つけてしまったと思います。


でもこの失敗に気づいたのは、この出来事があってから10年以上たってからでした。日本語の先生になるために学校に通っていたんですけど、そのときに、外国から日本に移民してきた子供たちについて、そして彼らのアイデンティティについて勉強したんですね。そのときにやっと私は自分の間違いに気づきました。「あぁ私はあの時、本当に最悪なことを言ってしまったな」って反省しました。


ドイツの友達の中に、トルコ人の子もいました。彼女の国籍はトルコなんだけど、でもドイツに変えたい、ドイツ人になりたいと言っていました。私はそのことも不思議に感じていました。なんでDNAがトルコなのにドイツ人になりたいんだろう?って。

今思えば、彼女もドイツで生まれ育っているので、アイデンティティがドイツ人だったのかなって思います。まぁでもこれは私の勝手な想像で、本当かどうかは分からないですけどね。


じゃあ、二つ目のエピソードです。

これもドイツの友達の話なんですけど、韓国人の子がいました。彼女もドイツで生まれ育った人でした。国籍は韓国。ドイツ語も韓国語もペラペラです。でね、その子はドイツの大学に通っていたんだけど、途中で韓国の大学に留学したんですね。で、そのとき、私は日本にいたので、彼女に会いに韓国へ旅行に行ったんですよ。で、いろんな話をしている中で、こんなことを言ったんですね。「今ね、大学の寮で暮らしてるんだけど、ルームメイトと仲良くなれないんだよね。その人に、あなたは韓国人じゃないって言われるんだよ。あなたの韓国語は変って言うんだよね。」って。悲しそうに言っていたんです。

「あなたは韓国人じゃない」って言われて、自分がじゃあ何人なのか、アイデンティティはどこにあるのかっていうことを悩んでいました。


じゃあ3つ目のエピソードです。私の娘が通っていた保育園での話です。娘のクラスメイトに、お父さんが外国出身、お母さんが日本人という女の子がいました。その女の子は日本語ペラペラですが、見た目は外国のルーツを感じるような見た目をしていました。

それでここからは娘から聞いた話です。あるとき、クラスの子たちと「将来、誰と結婚したい?」っていう話で盛り上がったそうです。そのときに、ある男の子が「〇〇ちゃんとは結婚したくない!だって外国人だから!」と言ったそうです。他にもどういうシチュエーションかは分からないんですが、その女の子はよく「外国人!」ってからかわれていたそうです。

日本も昔と比べたらかなり外国人は増えましたし、外国にルーツを持つ子供も増えました。それでもやっぱり見た目が違うと、仲間外れにされたり「外国人」って言われてしまう。これは差別とか偏見ですよね。


はい。いろんなエピソードをシェアしましたが、みなさんどう思いましたか?私は、やっぱり私自身がそうだったように、「知らない」ということがどんなに危ないことか。無意識のうちに人を傷つけてしまう可能性があるか。このことをね、身をもって経験しました。だから、私は子供達には同じことをしてほしくないんですよね。世の中にはいろんな人がいるということ。私たちがスタンダードじゃない。見た目も、考え方も、文化も、人それぞれだから。もちろんアイデンティティも人それぞれで、日本で生まれ育ってもアイデンティティは日本じゃないかもしれないし。それは人それぞれですよね。外国人のような見た目でも日本人かもしれないです。だから人のアイデンティティを否定しちゃいけないってことですね。それをこの「ミス日本」のニュースを通して、私は子供たちに伝えました。

これからも日本に住む外国人は増えていくと思うので、学校でもこういうことをね、しっかり教育してほしいなと思います。そうじゃないと差別とか偏見はどんどんひどくなっていく気がします。


はい。今日はここまでです。私のpodcastやYouTubeの活動を応援したいという方がいたら、Buy me a coffeeでドネーションしてください。とても励みになります。

ではでは今日もコツコツがんばりましょう!バイバイ!



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